怖くて切ない話:ガードレール下の斜面に女性が落ちてしまい、救助することに。その女性がこちらに差し出してきたものは…

03/03/03
大雨の日震度4の地震があり、土砂崩れの危険があるということで山の斜面の新興住宅地に住んでいた俺は、家族と一緒に近くの待避所に避難することになった。

途中で近所の友人と一緒になり、話しながら歩いていくと、彼が道の途中で何かを見つけた。

ガードレールの下の斜面に女性がいる。下に落ちた荷物を拾おうとして滑り、足をくじいて登れなくなったらしい。

通りがかった人たちと一緒に彼女を引き上げることにして、近所の大学生→俺→友人の順にガードレールから「人間の鎖」を作って雨でぬかるんだ斜面を降りていった。

友人が彼女の近くまで降りていくと彼女が何かを差し出した。激しい雨音の中に赤ん坊の泣き声が聞こえる。

女性は妊婦で、斜面を落ちたショックで生まれてしまったらしい。

とりあえず先に赤ん坊を引き上げることにして、上の道で待機していた人に預けることにした。視野の隅で赤ん坊を渡された人の顔色が変わるのを見た気がした。

再び人間の鎖を伸ばして降りていくと、女性がいない。友人が女性を探そうとして、手を離そうとしたとき上から声がした。

「おい、早く上がって来い。」

上の人に女性がいなくなったことを伝えたが、とにかく上に戻れと言うだけで話が通じない。友人が再び女性を探しに行こうとしたとき、再び上から声がした。

「そいつを行かせるな!戻って来い!」

叫び声に尋常ではない様子を感じ取ったので、しぶる友人を強引に上に引き上げた。

上で待っていた人に教えてもらったところではどうやら俺達が引き上げたのは、赤ん坊のミイラだったらしい。にわかには信じられなかった。

激しい雨の中でも赤ん坊の泣き声ははっきり聞こえていたのだが…